( MESSAGE )
Co-Founder
小山 佳祐
大阪大学大学院基礎工学研究科
招聘准教授
従来の工業用ロボットは、あらかじめ定義された動作を正確に実行する点において優れているものの、イレギュラーな状況への対応は限定的でした。どうしたら柔軟に対応できるようになるのか。そこで、私が注目したのが「手」です。
人間は視覚だけでなく、さまざまな感覚情報を統合しながら、対象の状態を把握しています。だからこそ適切な動作を柔軟に選択できる。そして、その多角的な情報インプットの鍵を握っているのが「手」なのです。「手」は「つかむ」だけでなく、「感じる」役割も担っている──この観点から、真の汎用性を備えた工業ロボットの最適解として、ハンドという構造を採用しました。
さらに人間は、手を用いた動作の過程で得られる経験をもとに、作業の精度や効率を高めていきます。私たちは、このプロセスを取り込み、使うたびに経験が蓄積され、動作が自律的に最適化されていくロボットハンドの実現もめざしています。
現時点では、特定の作業を得意とする専用機としての実装からスタートしていますが、適用範囲を段階的に拡張していくことで、汎用性や対応力はこの先、飛躍的に広がっていくものと考えています。その延長線上には、従来はロボットハンドによる対応が困難とされていた領域への適用だけでなく、人の身体ではできない、新たなアプローチの“手仕事”が実現される可能性もあります。
人のパートナーとして、新たな「手」として、ロボットハンドの役割は私たちの想像を超えて拡張していくはずです。